Scene

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書店員の休日。

The Bookseller's holiday.

 

書店員の仕事は、本が好きじゃなきゃ続かない、という。実際に、私たちは本が好きだ。本が好きで書店員になった。お店に入って勤めはじめたとき、毎日の仕事は思ったよりもハードだった。まず当然、本に関する知識がいるし、その上、体力がいる。レジに何時間も立つのがキツい日もある。うまくいかない日もある。でも、新刊の本を誰よりも最初に手にとって並べるときは、いつも胸がときめく。あの感触は、本好きにしかわからない。あの喜びがあるからこそ、書店員を続けられると思う。

休日くらいは、普段の仕事のことを考えずにリラックス、といきたいけれど、私たちのような本好きカップルにとっては、ちょっとした近所の散歩が、気づけばブックハントの時間になっていたりする。街のお気に入りの本屋に立ち寄って、そのお店の棚づくりに感心したり、自分の店では扱っていない本を見つけたり。好きな著者の作品がピックアップされて平積みになっていると嬉しくなったり。

私たちは本が好きだ。ひとりでじっくり読むのも、誰かに紹介するのも。人生で大事なことのほとんどは、きっと本から教わった。

 

They say you can’t be a bookseller if you don’t like books. I remember when I first started, the day-to-day work was harder than I expected. Obviously, you need to know about books, but you also need physical stamina. Some days, just standing at the register for hours can be exhausting. Some days, things don’t go so well. But being the first one to lay hands on new publications always makes my heart sing.

On our days off we try to relax and forget about work. But more often than not, we find ourselves on a book hunt, visiting our favorite bookstores to admire the shelves and discover new books.

We love books. We love reading them on our own and sharing them with others. Everything we need to know, we learned from books.

 

written by とある書店員の男女

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大学時代の本好きが高じて、一度は一般企業に就職したものの退職して書店員に。ちょっと内気な性格でお客さんと話すのが苦手だったが、最近は“共通の趣味”である本を通してお客さんと対話するのが楽しみに。趣味は自宅の本棚の並び替え。夢は世界中の有名書店を制覇する旅に出ること。

 

man

海外のブックセラーに憧れていた少年は、高校時代のある日、ロバート・D・ヘイルの「書店人は書棚に魔法を満たすことも、嵐を吹かせることもできる。書店人が特別でなくてなにあろう」という言葉と出会い、書店員になることを決意。書店バイトから正社員となり、現在に至る。